英語(TOEIC)をきっかけに人生を良くする

~英語(TOEIC)を媒介として人生のクオリティを上げていく~

対談!日本の英語教育が変わる日 イーオン社長とゆかいな仲間たち(プレジデント社)の感想&レビュー

   

「対談!日本の英語教育が変わる日」を読みました

この本は、WEBサイトのプレジデントオンラインにて「三宅義和・イーオン社長とゆかいな仲間たち」というタイトルで2015年3月からスタートした連載記事をまとめたものです。

内容は文字通り、英会話スクールで有名なイーオン社の社長である三宅義和氏と、同氏のお知り合いの方々11名との対談の書き起こしです。もちろんテーマは「英語」について。三宅氏は当然のこと、11名の方々それぞれも英語のプロフェッショナルです。11人分の対談がこの1冊に詰め込まれているので、各々の対談のページ数は多くありませんが、その分、エッセンスがギュッと凝縮されており、非常に学びが深い1冊でした。

通読してみて僕が感じたことが3点ありましたので、それらを共有させて頂きたいと思います。

対談ものを読むときのコツ

・・・とその前に、1つ前提となるお話をさせてください。

こういった形式の本(=いくつかの対談をくっつけて1冊にしてある)を読むときのコツとして、次のような考え方があります。

「全員が共通して言っていることを抽象化する」

1人1人の経験や考えは当然異なっています。なので、具体的な出来事や発言に注目している限り、全員の共通点を見つけることができません。そこで、重要になってくるのが、「抽象化」という作業です。つまり、「イヌ」「ネコ」「サル」を、「動物」というカテゴリーでくくるということです。この本に当てはめるならば、「11人それぞれの主張や行動の背景にあるもの」を見抜いて、それをまとめるということです。全員が共通してもっている考えは、つまり「英語への向き合い方」への正解と言ってしまっても差し支えないでしょう。

英語のプロフェッショナルたちが共通してもっている考えを吸収し、自分のものにできれば、英語上達への道は確保されたも同然です。何事においても、根底にどんな考えをもっているかで、その人が伸びるか伸びないかが決まります。

こうした前提をふまえて、僕は「対談!日本の英語教育が変わる日」を読みました。そして、僕なりに抽象化して出てきたものが、これから紹介する3点というわけです。具体的には、

1:英語はスポーツである
2:目的が先にあるからこそ英語に粘り強く取り組める
3:今は、英語教育の大転換期だから、よく考えて英語に取り組むべき


これら3つです。それぞれ解説していきます。

英語はスポーツである

まず、みなさんが共通して抱いておられるであろう考えの1つ目が、「英語はスポーツである」ということです。

本書の中の10人目の対談相手として、グローバル人材の教育を主眼におくベンチャー企業「igs」の代表である福原正大さんという方が登場されています。対談の中に以下のようなやり取りがあります。福原氏が、外資系金融機関に勤めていたときに、必死に英語を習得したという話を受けてのやり取りです。

三宅(イーオン社長):私は「英語はスポーツ」だと言っています。

福原:スポーツだと思います。

三宅:筋トレだと。

福原:筋トレだと思います(笑)。

三宅:今の話は、英語学習者にとって非常に参考になります。英語を長くコツコツやるのがいいという考えもあるのですが、実はですね、英語力は何もやらないと落ちるだけなので、コツコツやるだけでは何とか現状維持するのが精一杯。人生のある時期、集中して勉強することが英語力を飛躍的に伸ばすことになります。

福原:それはもう絶対的に賛成ですね。

                  「対談!日本の英語教育が変わる日」 185~186ページ

本書に登場する、福原氏以外の方々も、言葉は違えど英語をスポーツのように捉えているように感じました。確かに、少しずつ地道に進んでいくことも重要です。重要なのですが、それでは急激な成長は望めません。ある一時期で良いわけですから、その時間を徹底的に英語に注ぎ込み、一気に英語力を伸ばした方がお得だと僕は思います。

僕のレポートの読者の方に、「毎日2~3時間」を英語学習に充てておられる方がいます。その方は、先日仕事で、海外のクライアントを相手に英語でプレゼンテーションを行われたそうです。正直、僕なんかより高いレベルで英語を運用されておられるはずです。そんな方でも、忙しい毎日の中で「2~3時間」を捻出して勉強しておられる。英語力がアップしないほうがおかしいです。まさに「英語はスポーツ」ですね。徹底的にやった分だけ、強くなれるわけです。

目的が先にあるからこそ英語に粘り強く取り組める

2つ目は、「目的が先にあるからこそ英語に粘り強く取り組める」ということです。

対談の6人目に、TOEICを日本に広めた立役者である、千田潤一氏が登場しています。同氏の「英会話・ぜったい・音読」シリーズを読んだことがある方も多いのではないでしょうか。

詳しくは本書をお読み頂きたいのですが、TOEICという試験の生みの親は、北岡靖男さんという方であり、北岡さんの右腕として働かれていたのが、この千田潤一さんです。ちょっと名前がたくさん出てきてややこしいですが、なんとなく関係性をイメージしてください。

本書の中でこんなやり取りがありました。

三宅(イーオン社長):千田先生はもちろん、TOEICで900点をはるかに超えるスコアを持っていらっしゃいます。けれど、「次は満点を取る」と宣言されたら、北岡さんにひどく叱られたそうですね。

千田:怒られました。955点を取ったときに「次は満点を取りますから」と言ったら、ものすごく怒られました。「もう見栄で受験するのはおやめなさい」と。テストのための勉強、試験のための勉強、学習のための学習はやめなさいということでした。

「英語を勉強するのは何のため?」「英語の先に何を目指しているの?」という問いかけでもありました。「もっと英語を使って、コミュニケーションの場をつくるとか、友達をつくるとか、そっちのほうが大事でしょう」とも言われました。そのことは、僕が「英語で勉強する会」の世話役をするきっかけにもなりました。

北岡さんは、いまを予測していたのでしょうね。「このテスト(=TOEIC)が普及すると、スコアが高いから偉いとか、満点を取ったから偉いとかいう風潮が出てくるよ」と言っていましたから。それは北岡さんの目指したものではありません。目指したのはコミュニケーション能力。


                   「対談!日本の英語教育が変わる日 102~103ページ」

なんだか僕に言われているようで胸がキリキリしますが(笑)、現在のTOEIC業界には、北岡さんが危惧した通りの風潮がはびこっているように感じます。ともすれば、「手段が目的化」してしまうわけですね。

本書に登場する方々も、例外なく、目的(=やりたいこと)が先にあって、そのために英語を学ばれています。

なぜ英語を勉強するのか?
なぜTOEICを受験するのか?


それらを今一度熟考する必要があります。ちなみに、僕はTOEICを「英語の基礎力を身につけるため」そして、「目標達成のセンスを身につけるため」に受験するのがベストだと思っています。

今は英語教育の大転換期

最後3点目は、「今は、英語教育の大転換期だから、よく考えて英語に取り組むべき」だということです。

対談の7人目に、文部科学大臣補佐官の鈴木寛さんという方が登場されています。同氏の次の言葉が非常に印象的でした。

日本は1980年代に世界一の工業立国になって、日本の繁栄というものを掴みとったわけです。それは良かったんですけれども、やがてコンピュータ、インターネットを初めとするデジタルテクノロジーの導入によって、お手本を高速に正確に再現するという仕事は機械に取って代わられました。

それまで日本が得意としてきた分野の仕事は、デジタルテクノロジーに取って代わられてしまう。そうなったときに、人間は何をやるか。人間にしかできない仕事や役割は何なのかと。

まさに明治以来、世界史的に申し上げれば1700年代の後半以来の大変革期に来ているということです。

                      「対談!日本の英語教育が変わる日 123ページ」

マサチューセッツ工科大学が発行している「MITテクノロジー・レビュー」誌が、ブレイク直前のテクノロジーとして、

・ロボット(≒人工知能)
・IoT(インターネットオブシングス=コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信すること)
・宇宙開発


などを特集しているように、各種テクノロジーはものすごいスピードで進化しています。今ある仕事の大部分はなくなるという予想も立っていることも考えると、いかに自分の身を振っていくかを真剣に考えるべき時期が、まさに今なのだと思います。

テクノロジーに置き換えられないものは、人間がもつ創造性・表現力・心のつながりなど、そうしたソフトな部分です。デザイナーの思考法をビジネスのフィールドの応用する「デザイン思考」が注目されているのも頷けます。

こうした現実を踏まえて、英語教育がこれから急激に変わっていきます。小学5年生からの英語正式科目化、英語4技能(話す・聞く・読む・書く)をもれなく測れる大学受験用のテストの浸透、政府が提供する「グローバル人材育成のための」各種プログラム、などなど、本書のタイトル通り、「英語教育が変わる日」はすでに到来しているのかもしれません。まさに歴史の転換期。より一層、日々を真剣に生きなければ、取り残されている時代なのだと僕は感じています。

まとめ+僕の勝手な想い

以上の3点、

1:英語はスポーツである
2:目的が先にあるからこそ英語に粘り強く取り組める
3:今は、英語教育の大転換期だから、よく考えて英語に取り組むべき

これらを僕は本書から学ぶことができました。日々の学習法というミクロな話題から、時代性を考慮するというマクロな話題まで、盛りだくさんの1冊でした。

最後に、まとめとして僕がお伝えしたいのは、少し逆説的になりますが、「英語に取り組む前に、すべきことがある」ということです。

時代が転換期を迎えているということは、多少なりとも混乱が起こっているということです。グローバル化が進み、終身雇用が崩れ、年功序列が意味を持たなくなったと言われて久しいですが、まさにそれがリアルに実感できるようになっています。

若い世代の多くは、「出世したくない」とか「2020年までには離職する」とか「閉塞感があってしんどい」とかいった思いを抱いているわけですが、まさにこれらは時代性を表していると思います。つまり、人生に明確な方向性がもてないわけです。

そうであるならば、まず取り組むべきは、「自分を研究すること」です。

・自分は何をやりたいのか?
・自分はどんなことにワクワク感を感じるのか?
・自分は社会に対してどんな価値を提供したいのか?

そうした部分を徹底的に考え抜き、小さな行動から始めることこそが、「英語に取り組む前にすべきこと」です。自分を研究し、出てきたビジョンまでの途上に、「英語」が配置されるのであれば、英語に取り組めばいいのです。それくらいの目的意識がなければ、英語学習なんてつまらないだけです。

本書に登場した11人の方々も、自分を徹底的に研究した上で、英語学習に取り組まれたのだと思います。だからこそ、英語のプロフェッショナルとして、社会によい影響を与えられる存在になっておられるのでしょう。

あなたにとって英語は本当に必要なものですか?

それを判断するための材料が、「対談!日本の英語教育が変わる日」という本の中に見つかるかもしれません。

a-new-day「対談!日本の英語教育が変わる日 三宅義和・イーオン社長とゆかいな仲間たち」

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