「知っている英語の文章をリスニングしているのに意味が入ってこない」人への処方せん

読めば分かるのに聞き取れない

学習相談に乗っていると、この悩みを抱えている人が多いように感じます。ちなみに「知っている文章=読めばわかる文章」という意味です。

なぜ「リーディングだったら意味が分かる文章なのに、同じ文章をリスニングすると意味が取れなくなってしまう」のでしょうか?

これに対する僕の答えは、「単語の意味を覚えるときに、非効率的な方法で覚えているから」となります。

次の2つのポイントから「非効率さ」を説明できます。

1つ目が「正確な発音で単語を覚えていない」という点。
2つ目が「単語とイメージをリンクさせずに覚えている」点です。

これら2つを改善すれば、「知っている英語の文章をリスニングしているのに意味が入ってこない」→「知っている英語の文章であれば、リスニングしても問題なく意味が取れる」へと変化します。

それぞれ詳しく解説していきましょう。

正確な発音で単語を覚えていない

まず、1点目の「正確な発音で単語を覚えていない」についてです。

例えば、公式問題集で出題されている次の文章について考えてみましょう。

An awning extends over a shop entrance.(日よけが店の入口の上部に広がっている。)

この文章は「awning(日よけ)」「extend(広がる、延びる)」などの単語の意味を覚えれば問題なく読める文章だと思います。

ただ、仮に「awning」の発音を間違えて覚えてしまっていたら、リスニングではどうなるでしょうか?

「awning」の正しい発音は「オーニング」です。でも、もしも「アウニング」と間違って覚えてしまっていたら問題です。なぜなら、当然リスニングの問題では「正しい発音」で聞こえてくるからです。

つまり「アン 『オーニング』 エクステンズ オゥヴァー ~」と聞こえてくるわけです。

決して、「アン 『アウニング』 エクステンズ オゥヴァー ~」とは聞こえてきてくれません。

なので、聞いた瞬間に「あっ!知らない単語だ・・・『オーニング』って何だ!?」と焦ってしまうわけです。それで、後からスクリプトを見てみると、実は知っている「awning」という単語だったことが判明する・・・という感じです。

解決策

これを解決するためには、「正しい発音で音読しながら単語を覚えていくこと」がおすすめです。

その意味で、「音声付きの単語本」を使って覚えることが必要不可欠です。自分なりの勝手な発音で英単語の意味を覚えていくのではなく、正しい発音で英単語の意味を覚えていってください。

正しい発音で覚えることができていれば、リスニングの問題でその単語が出てきたときに、音と意味がリンクした状態で、問題なくその文章を理解できます。

ただ、そうは言っても「自分のお気に入りの単語本には音声がついていない」というケースもあると思います。そういうときは「基本的な発音記号は読めるようになる」ことから始めてください。おそらく、「それをするくらいなら、新しく音声付きの単語本を買います!」という感じになると思いますが(笑)、音声が無いなら、発音記号を自分で読み取って、正しい発音で覚えるしかありません。

この方法でも同じように、リスニングの問題でその単語が出てきたときに、音と意味がリンクした状態で問題なくその文章を理解できるようになります。

以上が「正確な発音で単語を覚えていない」という問題に対しての解決策です。

単語とイメージをリンクさせずに覚えている

続いて2点目の「単語とイメージをリンクさせずに覚えている」という問題について考えてみましょう。

まず、リーディングとリスニングの最大の違いは、「マイペースでできるかできないか」ということだと僕は捉えています。試験だと制限時間という縛りがありますが、基本的にはリーディングはマイペースで取り組めます。分からなかったら何度読んでもOKですし、その問題を後回しにするのも自由です。

しかし、リスニングはそうはいきません。聞こえてくる英語のペースに自分を合わせていかなければなりません。「もう1回聞かせて」というオプションはありませんし、「その問題は後で解こう」なんてこともできません。リスニングはリアルタイムでリズムよく解いていくことが求めらます。

こうした現実を踏まえると、「『単語』と『イメージ』をリンクさせずに覚えている」という状況を改善しないことには、いつまでたってもリスニングで結果を残すことはできないと言えるのです。

それでは、そもそも「『単語』と『イメージ』をリンクさせずに覚えている」とはどういう状況なのでしょうか。簡単に言うと、「その英単語の意味を『絵(イメージ)ではなく、『文字』で覚えている」という状況のことです。

英語に限りませんが、言葉を使って相手とコミュニケーションを図るということは、「相手とできる限り同じ絵(=イメージ)を頭の中で共有する」という意味です。つまり、相手の言っていることを理解しようとするなら、「頭の中で絵を描く」という作業が求められるのです。

では、ここでも先ほどと同じ英文を例に説明しましょう。

An awning extends over a shop entrance.(日よけが店の入口の上部に広がっている。

という英文ですね。

例えばこの英文の中には「entrance(エントランス)」という単語が入っています。この単語の意味は「入口」です。ただ、この「入口」という言葉はあくまでも文字情報であり、絵(イメージ)ではありません。文字情報として覚えている限り、頭の中で絵(イメージ)が描かれることはありません。

リスニングの問題を解いていて「entrance」と聞こえてきたときに、自分の頭の中に「入口」という文字が浮かんでくるか、近所のカフェでもスーパーでもいいですが、とにかく「入口の絵(イメージ)」が浮かんでくるかで情報処理のスピードは大きく違ってきます。

このスピードの違いが、聞き取れるか聞き取れないかを決める重要な要素なのです。

リスニングの問題で聞こえてくる英語に対する処理スピードが追い付いていなからこそ、「知っている英語の文章をリスニングしているのに意味が入ってこない」という状況に陥ってしまいます。(実はこれは正確に言うと、「意味が入ってこない」のではなく「情報処理が間に合わず、正確に聞き取れなかった」ということなんですけどね。)

解決策

この状況を改善するためには、「単語を覚えるときに、『文字情報』ではなく常に『絵(イメージ)』を頭の中に描きながら覚えるクセをつける」のがおすすめです。最初はめんどくさいかもしれませんが、そのうち慣れてきますし、むしろそっちの方が楽しくなります。

例えば「merchandise(商品)」という単語を覚えるとき、味気なく「商品」という文字を覚えるのではなく、自分の好きなものでも何でも良いですから、その絵(イメージ)を頭に思い浮かべながら、そのイメージと「merchandise」とリンクさせて覚えてください。

これができるようになれば、リスニングの問題で「merchandise」が出てきたときに、瞬間的にその「絵(イメージ)」が頭の中に想起されるようになります。その結果として情報処理が速くなります。これが解決策です。

まとめ

今回の話をまとめましょう。

今回扱った「知っている英語の文章をリスニングしているのに意味が入ってこない」という問題の原因は2つに分けられます。

1つ目が「正確な発音で単語を覚えていない」ということ。
2つ目が「単語とイメージをリンクさせずに覚えている」ということです。

1つ目の「正確な発音で単語を覚えていない」という点に対する解決策は、「正しい発音で音読しながら単語を覚えていくこと」となります。

2つ目の「単語とイメージをリンクさせずに覚えている」という点に対する解決策は、「単語を覚えるときに、『文字情報』ではなく常に『絵(イメージ)』を頭の中に描きながら覚えるクセをつけること」となります。

これら2点を意識して日頃の学習に取り組んで頂くことで、「知っている文章であれば、ちゃんと聞き取れる」ようになります。

リスニング力を上げるために、ぜひ取り組んでみてください。


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