「自分はボキャビル(=単語暗記)はできない」と「思い込んで」いませんか?

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昔から感じていたことなのですが、「ボキャビルにおける奇妙な反比例」というものがあります。(※ボキャビル=単語・熟語の暗記)

「ボキャビルが得意は得意なので、いくらでも単語や熟語を覚えられます!!」

という人には、少なくとも僕は過去に1人しか出会ったことがありません。(高校のときにかなり個性的な友人がいて、彼は辞書が大好きで、内容を丸々覚えていました。)

その意味で、ほぼ全ての人にとって「ボキャビル」は苦手な領域の学習に入るのではないでしょうか?

あまり信じてもらえないかもしれませんが、僕だってそうです。

ブログの過去記事などを参照していただくと分かりますが、僕もボキャビルにはかなり苦痛を感じます。

ただ、だからといってボキャビルから逃げ切ることはできません。

なぜなら、スコアを上げるために、最も避けて通れないのが「ボキャビル」だからです。

自分の暗記力に自信がない人ほど・・・、

ただ、ボキャビルについて正しく認識している人は決して多くありません。

おそらくそれが理由で「奇妙な反比例」が起こってしまっているのだと思います。

「奇妙な反比例」・・・具体的にいうと、

<奇妙な反比例>

自分の暗記力に自信がない人ほど、簡単に単語を覚えられると考えている。 

ということです。

結論から言ってしまうと、
単語や熟語を覚えるためには「何十回単位」の反復が必要になります。
つまり、「覚える→忘れる→覚える→忘れる→覚える・・・」という反復を何十回もくりかえしてようやく定着するのが単語や熟語なのです。

それが普通です。

しかし、「単語がなかなか覚えられない・・・」という悩みを抱えている人ほど、「2~3回」反復しただけで「覚えられない」と決めつけてしまい、「自分はボキャビル(=単語暗記)が苦手」だと「思い込んで」しまいます。

たった「2~3回」しかやっていないのに「どれだけやっても覚えれない」と考えてしまいます。

たったそれだけの反復で覚えられたら「神」です。

普通は無理です。

明らかに絶対量が足りません。

「忘れる前提」でボキャビルをするのが正解

反対に、ボキャビルに対して健全に向き合えている人は「忘れる前提」で単語や熟語を覚えています。

先日、コーチングのクライアントさんに単語の総点検を行ってもらいました。

そうすると、一度は全て覚えたはずの単語のうちの約30%が「一瞬で意味が出てこない状態」になってしまっていました。(=1120個のうちの342個が定着しきっていなかった。)

でも、その方はそれを「当たり前のこと」として捉えていたので、

「ちょっと数が多くなってしまっているので、また抽出したものを覚え直して、今週末にまた総復習をしていきます!」

という、とても前向きなメッセージを送ってきてくれました。

このように「忘れるのが前提であり、それは普通である」という姿勢でボキャビルに取り組めば、着実に成果は上がっていきます。

「覚えたはず」は「覚えていない」

ただ、1点注意していただきたいのが「『覚えた』という基準を低くしてはいけない」ということです。

「ボキャビル」についての学習相談を受けていると、よく次の言葉を聞きます。

「覚えたはずなんですけどねぇ」

「覚えたはずの単語なのに、いざ本番になると意味が瞬時に出てこない」という悩みから出てくるのが、「覚えたはずなんですけどねぇ」という言葉です。

僕もそういう時期がありましたから、よく分かります。

ですが、この言葉が出てきてしまうということは「『覚えた』という基準が低い」ということを意味します。

リスニングでもリーディングでも、わからない単語があると、その瞬間に思考が停止します。

特にリスニングにおいては、常に音声は流れていくわけですから、思考の停止が致命傷になります。

今でこそ僕は、TOEICのリスニングでは思考の停止は起こらなくなりましたが、いまだにオーディオブックやポッドキャストを聞いているときは、知らない単語が出てきたら、その瞬間に「えっ!?」となって思考が停止し、全体の理解が妨げられます。

そういうときは、あとでしっかりその単語なり熟語を調べ、覚え、そのあと何回も聞いて復習して、「間違いなく覚えた!」と自信をもって言い切れるまで、頭に叩き込むように意識しています。

その作業を行わない限り、いつまでたっても聞けないものは聞けないままですし、読めないものは読めないままです。

なので、そこは厳しくいきましょう。

「覚えたはず」だと自分では思っても、それが本番で出てこなかったのなら、「覚えていなかった」ということです。

自分の主観ではなく客観的な事実(=聞けるか聞けないか、読めるか読めないか)を信頼して、それに沿って自分のアクションを変えていきましょう。

そうすることによって「覚えたはずなんですけどねぇ」という言葉は、自然と消えていくはずです。

まとめ

その意味で、

・ボキャビルには「忘れる前提」でポジティブに取り組む

・覚えるときは「たった数回の反復では覚えられるわけがない」とネガティブに捉える

・「覚えた」の基準を高くする
こういった意識でボキャビルに取り組んでいくのがベストです。

そうすれば間違いなく「奇妙な反比例」は起こらなくなります。

簡単にボキャビルが成功してしまったら、日本中が英語の達人で溢れかえってしまいます。

そうしたら英語それ自体に価値がなくなってしまいます。

「大変だからこそ価値がある」

そう捉えて、コツコツと単語力を強化していきましょう。


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