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あなたはこれら5つの罠にはまっていないですか?
今回取り上げるTEDトークは、ブラジルの女性起業家であるベル・ペシのTEDトーク「夢をダメにする5つの方法」です。
6分ちょっとの短いスピーチです。しかし、多くの人が自らの夢や目標を達成できない理由が切れ味鋭く語られています。あなたはこれら5つのどれかに該当してしまっていないでしょうか?
スピーチの内容に僕なりの解説および具体例を付加して、夢の達成を阻む5つの罠を1つずつクリアしていきたいと思います。
ベル・ペシ氏のプロフィール
ベル・ペシはブラジルのサンパウロ生まれの女性起業家です。マサチューセッツ工科大学で電気工学およびコンピュータサイエンスを学んだ後、マイクロソフトやグーグル、レモンウォレット(ベンチャー企業)などの企業に勤務。
そんな中、2012年にWEB上で公開した無料の電子書籍が300万回以上のダウンロードを記録し一躍有名に。
その後、活躍の場をシリコンバレーから故郷ブラジルへと移し、教育機関「FazINOVA」を設立。現在は教育というテーマでその手腕をふるっています。まだ20代の女性です。すごいですね。
夢をダメにする5つの方法
そんなベル・ペシがTEDで披露したのが「夢をダメにする5つの方法」というスピーチです。彼女の経験や徹底したリサーチから導き出された、夢や目標を達成できない人の特徴が5つ述べられています。
もし、あなたがこれら5つのうちのどれかに当てはまっているのなら、是非意識して改善してみてください。きっと、夢や目標の達成が現実味を帯びてくるはずです。
それでは、まずはざっと5つの特徴を書き並べてみましょう。
「夢をダメにする5つの方法」
1:「 Believe in overnight success.(一夜の成功を信じること)」
2:「Believe someone else has the answers for you. (誰かが答えを持っていると信じること)」
3 :「Decide to settle when growth is guaranteed.(成長が確実になったときにそこに安住すること)」
4:「Believe the fault is someone else’s.(失敗を他人のせいにすること)」
5:「Believe that the only things that matter are the dreams themselves.(大切なのは夢そのものだと信じること) 」
この5つです。良い話を聞いて、なんとなく理解した気になってしまうことほど成長を阻むものはありません。この後の僕の解説を参考にしつつ、あなたなりに確実に噛み砕いて、腹に落とし込んでください。それでは、1つずついってみましょう。
1:「 Believe in overnight success.(一夜の成功を信じること)」
先ほど紹介したベル・ペシ氏のプロフィールを再度見てみてください。マサチューセッツ工科大学、マイクロソフト、グーグル、電子書籍の大ヒット、教育機関の設立、まだ20代、etc。圧倒的なキャリアを背景に、一気に成功への階段を駆け上がった「感じ」がします。しかしながら、それは真実ではありません。
スピーチの中で彼女自身も、「マサチューセッツ工科大学に入学できたのは、それまでの徹底した努力があったから」と述べているように、「華やかな結果」の裏側には、決まって徹底した鍛錬が存在しているのです。
しかしながら、その鍛錬について述べる成功者はごく少数です。
多くの成功者たちは、その部分を意識的にか無意識的にか隠してしまいます。
だからこそ、夢を叶えられない多くの人々に次のような言い訳を与えてしまうのです。「あの人は才能があったから成功した」「あの人は育った環境が恵まれていたから成功した」「あの人は運よく時代の波に乗ったから成功した」などなど。こうした言い訳は、自分が夢や目標を達成できないことを正当化してくれます。
しかし、この言い訳は全く救いになりません。マクドナルドの創業者であるレイ・クロックは、「私は一夜にして成功を収めたと思われているが、その一夜というのは三十年という長い長い夜だった。」と言っています。ベートーヴェンもタイガーウッズも、幼い頃から徹底した訓練を、誰よりも長い時間受け続けてきたからこそ、偉大な結果を残せたのです。
ここで僕自身の例を出すのも非常に恐縮ですが、現在の英語力を身につけるまでには、自分なりに相当な努力をしてきました。そして現在はTOEICで990点満点を獲得するために、仕事の合間を縫って毎日勉強しています。
一夜にして成功するなんていう美味しい話は絶対にありません。才能は努力によって開花します。恵まれない環境で育った成功者はたくさんいます。時代の波に乗れるのも、それまでの準備(努力)があったからです。一夜の成功を夢見る前に、まずは地に足をつけて、コツコツと努力を継続することが、実は成功への最大の近道なのです。
2:「Believe someone else has the answers for you. (誰かが答えを持っていると信じること)」
答えを自分の外側に求めてしまうことも、あなたを成功から遠ざける大きな要因です。
ここで1つあなたに質問です。「僕たち人間がもつ欲求の中で一番強いものは何でしょうか?」
食欲でしょうか?睡眠欲でしょうか?性欲でしょうか?はたまた金銭欲でしょうか?実はどれも違います。これらのもっと根本にある欲求が一番強い欲求です。それは「生存欲求」です。つまり、生命の維持ということです。当然と言えば当然ですよね。自分が死んでしまったら何も始まりませんから。
したがって、僕たちの脳は「生命を脅かすもの」に対して、徹底して反抗するようにプログラムされています。病気のウイルスが体内に侵入してきたら体内の免疫が激しく戦ってくれますし、毒をもった動物に遭遇したら自動的に逃げるという選択をするはずです。
このように、「生命を脅かすもの」は考えてみると無数に存在しているわけですが、その中でも、最も大きな脅威は何だと思いますか?
進化論で有名なダーウィンは言っています。「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。」この言葉からも分かるように、「変化への対応」が生存のための最も重要な要素です。裏を返せば、「変化」こそが生存への最大の脅威だと考えられます。
この変化とは、気候の変化とか、国のシステムの変化とか、そういった大きな変化だけを指すのではありません。あなたの周りの人間関係の変化、あなたが所属する会社や学校での立場の変化など、すべての変化のことを指します。
こうした変化を人間は嫌います。なぜなら、今の安定を捨てることになるからです。
「安定を捨てる=自らを危険にさらす=生存の危機」ということです。だからこそ、僕たちは変化を避け、現状維持を求めます。それも無意識で求めるのです。
例えば、あなたに恋人がいるとしましょう。その恋人との付き合いも1年を越え、そろそろ結婚を考える時期となりました。相手もそれを求めています。そんなとき、あなたの心に「やっぱり自分の夢を追いかけたい。2年間留学に行きたい。」という気持ちが芽生えてきました。それを恋人に伝えたときに、相手は100%大賛成で送り出してくれるでしょうか?おそらく100%ではないはずです。もしかすると、「そんなに頑張らなくていい。今もあなた自身のままでいい。」と言ってくるかもしれません。
これが、現状維持を無意識で求めてしまうシステムです。この状況において、あなたが取るべき選択肢は、「留学にいく」です。なぜなら、自分の気持ちにウソをついて生きてしまったら、そのうち必ず後悔することになるからです。でも、恋人の優しい言葉によって、あなたは葛藤を経験することになります。
しかし、ここで自分にウソをついてはいけません。あなたの人生における答えをもっているのは、あなた以外にいないわけですから。自分が信じる道を突き進むことには、それ相応の辛さや悲しみが伴うかもしれません。それでもなお、自分の答えを信じることが重要です。この辛さや悲しみを乗り越えることによって、成功への距離が一気に縮まります。
3 :「Decide to settle when growth is guaranteed.(成長が確実になったときに そこに安住すること)」
先ほども「変化」について触れましたが、今度は切り口を変えて「変化」について考えてみます。
まず大前提として、すべての物事は変化しています。変化しないものなんて何もありません。時代のトレンドは猛スピードで変化しています。僕は医療関連企業で働いていますが、病院の中でも時代の流れと共に、「紙カルテ→電子カルテ(パソコン)→電子カルテ(i-Pad)」というような変化が起こっています。もちろん、あなたの周りでも様々な変化が起こっているはずです。
変化は容赦ありません。変化に対応できない者を簡単に淘汰していきます。
ウォルト・ディズニーの有名な名言があります。「現状維持では、後退するばかりである。」つまり、積極的に変化(成長)していく必要があるということです。仮に現時点でうまくいっていたとしても、時間の経過と共に、それは確実にうまくいかなくなります。
常に自分を磨き、常に成長していくこと。これ以上に成功に近づく方法は見つけられないと僕は思います。
4:「Believe the fault is someone else’s.(失敗を他人のせいにすること)」
失敗を他人のせいにしている限り、成功どころか1歩さえも前に進めません。なぜなら、他人のせいにしてしまうことで、「思考停止」に陥ってしまうからです。
「この問題はアイツのせいだ!」こう思った時点で終了です。そこから思考は発展しません。逆に、「もしかしたら、自分にも原因があるんじゃないか?」こう思えたなら、自動的に思考は発展していきます。その結果何らかのアイディアを思いつき、自分自身の行動が変わります。このプロセスこそがまさに成長であり、成功への道筋だと言えるのです。
僕が尊敬している人物の教えの中に、「インドでおばあちゃんが転倒しても、それを自分のせいだと思え」というものがあります。行ったこともないインドで、会ったこともない老人が転んだときに、それを僕のせいだと捉えろといわけです。意味不明ですが、価値がある考え方だと思います。それくらいの姿勢で物事を受け止めることができたら、いくらでも成長できそうな気がします。
「自分のせいにする」という行動には勇気がいります。「やってらんねーよ」と思ってしまうこともあるかもしれません。でもそんなときはカフェでコーヒーでも飲んで感情を静めつつ、思考を巡らせることで、また更なる一歩を踏み出すことができます。「失敗」を単なる「実験結果」と捉え、次に活かしていくことが重要です。
5:「Believe that the only things that matter are the dreams themselves.(大切なのは夢そのものだと信じること) 」
いよいよ最後5つ目です。これは手段と目的を混同してはならないということです。その通りだと僕も思います。僕は自分が達成したい目標、実現したいライフスタイル、最終的に叶えたい夢、その他もろもろ、それらを手にするために日々努力をしているつもりです。でも、僕は決して器用ではありません。参考までに、この記事を書き始めてからもう4時間が経過しています(笑)
くやしさを毎日感じていますが、たまにはうれしいこともあります。早くゴールに辿りつきたいという気持ちを原動力にして、日々を過ごしています。そんなときに僕はこのベル・ペシの動画を見ました。そして、
「Life is about the journey.(人生は旅なんです。)」
「The only way to really achieve all of your dreams is to fully enjoy every step of your journey.(あなたの夢をすべて本当に叶える唯一の方法は、そこに至る旅を一歩一歩楽しむことです。)」
というフレーズを聞きました。なんだかホッとしました。こうして少しずつでも毎日努力をしていくこと、それ自体が人生(=旅)であり、結果はその一要素にすぎないわけですね。努力できることそのものに感謝をして、頑張り続けたいと思います。
あなたの夢や目標は何ですか?
それらに向かって着実に前進できてますか?
日々の選択の積み重ねによって人生は形作られます。
あなたの夢をダメにしてしまう選択を意識的に避け、価値ある毎日を過ごして参りましょう。たった6分ちょっとの動画ですが、非常に勉強になります。是非見てみてください。
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