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TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編(IIBC)の感想&レビュー

   

新形式の公式問題集を解きました

遅ればせながら、「TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編」に収録されている400問を解いてみました。結果は以下の通りでした。

TEST1
リスニング96点/100点(間違えた問題:33番・49番・66番・73番)
リーディング99点/100点(間違えた問題:193番)

TEST2
リスニング97点/98点(間違えた問題:24番・34番・76番)
リーディング98点/100点(間違えた問題:128番・153番)


客観的な点数だけ見ると、新形式になったからといって、大きくスコアが下がることはなさそうですが、解いてみた印象としては、「相当難しくなっている」と言うしかありません。旧形式とは全く違う感じがしました。より現実世界を切り取った、よりリアルなテストへと変化しています。

小手先のテクニックは通用しない

「ヒアリングマラソン」などで有名なアルク社でTOEIC講師をされている神谷奈緒さんも、日経新聞の中で、新形式のTOEICに関して次のようにおっしゃっています。

「従来のTOEICは解き方のコツさえ身につければ点数アップが望めたが、今回の改訂では「実際のビジネスシーンで使われているのに近い実践的な英語能力を測る問いが増える。」“攻略のための英語学習”をしてきた受験者にはこれまでより難しく感じるだろう。(中略)リスニングやリーディングでも基礎問題(パート1・2・5)が減り、文脈全体をきちんと理解しなければ答えられない応用問題が増えると予想される。

まさに僕も同感です。特に「文脈全体をきちんと理解しなければ答えられない応用問題が増える」という部分は、新形式の最大の特徴だと思います。もはや小手先のテクニックは通用しません。もっと言えば、英語力だけでも不十分かもしれません。英語力に加えて、「ビジネスについての知識」「ビジネスシーンを頭の中で描けるイメージ力」などが求められるでしょう。

以下、各パートについての感想と対策です。

Part1

Part1は、問題の形式は旧形式のままですが、問題数が減りました。

得点源であるPart1が減ってしまうのは残念ですが、仕方ありません。パート1の対策としては、やはり「語彙力」でしょう。Part1で使われる単語を知っていれば知っているほど、各放送文に対するイメージが鮮明に描けるため、正答率が上がります。さらに、消去法の精度も上がります。なぜなら、たとえ自信をもって「正解」を聞き取れなかったとしても、自信をもって「不正解」を聞き取れていれば、消去法で確実に正解を選べるからです。

Part2

Part2も問題数が減りました。個人的にはPart2が最も嫌いだったので、問題数が減ったことはうれしいのですが、それでも25問はあります。Part3・4が難しくなった分、Part2でいかに得点を稼げるかが、結果的なスコアを左右すると思います。

Part2の対策としては、「とにかく最初の3語を聞き取ること」です。これが非常に重要です。

基本的に、英文は最初の3語の中に「その文における最も重要な要素(=主語と動詞)」が入ります。そのため、最初の3語さえ聞き取ることができれば、その文の大意がつかめます。もし最初の3語に、主語と動詞が入っていなかったとしても、その場合は、WhyやWhereなど「5W1H」のいずれかが入っていることがほとんどなので、正解の予測が立てやすくなります。

できる限り多くの問題を解いて、最初の3語に対する瞬発力を高めることが大切です。

Part3

現実世界における、他人とのコミュニケーションにおいて、「相手の話を最後まで聞いてから、それをしっかりと噛みしめ、その上で自分の話をする」なんてことは、まずあり得ません。

もちろん、そうしたコミュニケーションが取れたら理想ですし、僕もそれを目指していますが、ことビジネスシーンにおいては悠長なことは言っていられません。自分が話しているそばから、他の人が話を差し込んでくることは日常茶飯事ですし、議論の中に感情論が入り込んでしまい、なかなか話が進まないことも多々あります。このようなせわしない感じが、しっかりとPart3に組み込まれています。

さらに、問題の中に「表」が追加されたり、旧形式にはなかったようなシチュエーション(会社予算の見直しのためのミーティング、店舗の販売促進に関する会議など)が採用されていたりして、よりビジネスシーンの空気感が醸し出されています。そうした空気感をいかに感じ取れるかが、Part3攻略の鍵になるでしょう。

Part3の対策としては、まずは、「公式問題集に収録されている問題全てのシチュエーションをイメージできるようになること」だと僕は思います。「文章の意味はわかるけど、なんとなくピンとこない」という問題を1つでも減らしていくことが大切です。

例えば、TEST2の「53~55番にかけての問題」は、話されている英語の意味は分かっても、そのシチュエーションにピンとこなければ、少し戸惑ってしまうかもしれません。「ピンとこない=イメージが浮かばない」ということです。ネットで画像検索をしてみるなり、分かる人に聞いてみるなりして、シチュエーションをイメージできるようになることが大切です。

Part4

Part4においても、「法人クライアントへの宣伝キャンペーン」や「電話セールス」など、容赦なくビジネス用語が飛び交っています。

さらに、表を見ながら解答する問題も複雑なものが多く、極めて難易度が上がっている印象を受けました。僕自身、先読みのリズムが何度か崩れましたし、自信をもってマークできなかった問題も数問ありました。

Part4攻略のポイントは、やはり「その問題のシチュエーションを、いかにリアルにイメージしながら解けるか」ということだと思います。つまりPart3と同じです。シチュエーションがしっかりとイメージできれば、新形式で新たに導入された「〇〇〇〇と言ったときの、発言者の意図(感情)は?」というタイプの問題もスムーズにクリアできるはずです。

対策もパート3と同じです。ネットで画像検索をしてみるなり、分かる人に聞いてみるなりして、シチュエーションをイメージできるようになることがポイントです。

Part5

Part5に関しては、問題数が減ったこと以外は特に変わったことはないように感じました。

新形式においては、「いかにPart5を速く解いて、どれだけPart6およびPart7に時間を残せるか」がより一層重要になります。速く解くためには、「理屈ではなく感覚で解くこと」です。

つまり、「え~っと、この文章は、空欄部分がなくても、文として成立しているから、副詞が入るな!ということは、正解は(C)だ!」というように、理屈で解いていくのではなく、ザッと全体を読んで、瞬時に「(C)が正解!」と感覚で分かるようになって頂きたいのです。

もちろん、いきなり感覚で解けるようにはなりませんが、半端ではない数の問題を解きまくることで、感覚が養われてきます。僕はたくさんの問題を解くことで、Part5の「正解感覚」が身につきました。根性論で申し訳ありませんが、問題をたくさん解くこと以外に、「正解感覚」を身につけ、Part5の解答速度を上げる方法を知りません・・・。

Part6

Part6は、難しくなっています。

特に、“文章丸ごと”をどの部分に配置すべきかを問う問題が新しく追加され、「空欄の前後を読むだけ」では解けない問題の割合が増えました。

空欄の前後だけではなく、文章全体を読み下し、前後の文脈(=文章全体のストーリー)を理解した上で解答しなければならないわけです。つまり、1つ1つの文章の意味が分かっても、「全体としてどんな話が展開されているのか」が分からなければ、正解を選べないということになります。ここでもまた、「その問題のシチュエーションの理解」が求められるわけです。ネットで画像検索をしてみるなり、分かる人に聞いてみるなりして、シチュエーションをイメージできるようになることが重要です。

Part7

Part7に関してまず認識しておきたいのが、問題数が増えたことです。パート7だけで50問以上あります。全てを解き切るためには、相当な集中力と粘り強さが求められます。さらに、問題の内容に関しても「極めて専門的な単語」が使われたり、トリプルパッセージの問題が追加されたりしたため、非常に複雑になっています。

例えば、公式問題集のTEST1には、「paradigm shift(=パラダイムシフト=考え方や価値観などが劇的に変化すること)」という単語が使われていますし、TEST2には、「prototype(試作品)」や「focus group(フォーカスグループ=市場調査のために集められる、販売対象となる消費者などのグループ。)」などの単語が使われています。パラダイムシフトなんて言葉は、普通に使うような言葉ではないので、正直びっくりしました。

さらに、トリプルパッセージの問題に関しても、3つ全てをしっかりと読みこなさないと解答できない問題が多く、手強さを感じます。

冒頭で引用させて頂いた、アルクの神谷奈緒さんの「実際のビジネスシーンで使われているのに近い実践的な英語能力を測る問いが増える。」“攻略のための英語学習”をしてきた受験者にはこれまでより難しく感じるだろう。(中略)リスニングやリーディングでも基礎問題(パート1・2・5)が減り、文脈全体をきちんと理解しなければ答えられない応用問題が増えると予想される。」という言葉そのままに、実践的な英語力を身につけることが、新形式を攻略するためには、必要不可欠です。

パート7の対策としては、「とにかくできる限り多くの問題を解いた上で、本番に臨むこと」です。まずは、時間内に全てを解き切ることを目標にすべきです。本番で圧倒されないように、充分な練習を積んでおく必要があります。

IIBC(=TOEICの運営団体)常務理事の言葉

以上で解説させて頂いた通り、新形式のTOEICは、間違いなく難しくなっています。

けれども、TOEICの運営元であるIIBC(一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会)の常務理事である山下雄士さんは、プレジデントオンラインのインタビューにおいて、「新形式になると難しくなるのではないか?」という質問に対して以下のように答えられています。

「皆さん、そういう印象をお持ちですね。ただ、これは開発という言葉が適切なのかどうかわかりませんが、私どもはアップデートという表現をしています。ただし、これまでの2時間200問。それから10点から990点というスコアは変わりません。というのも、30数年前からやっているテストと、同じ尺度で測れるテストでないといけないわけです。このことは、テストを開発したアメリカのETS(教育試験サービス)と何度もディスカッションして進めてきました。基本的に難易度は変わっていません。変わるのは、出題形式の一部です。例えば、今までリスニングでは、2人の人が会話していたのが、3人の会話も出題されます。だから、印象としては難易度が上がったと感じられるかもしれません(笑)。」

            プレジデントオンラインより「http://president.jp/articles/-/17864

いやいや、難しくなってるでしょ!というのが僕の正直な感想なのですが、一応、IIBCとしては、「難易度は旧形式と変わらない」とのことです。もちろん、「難しくなっているのか、なっていないのか」を判断するのは、あなた自身です。ぜひ本番を迎える前に、公式問題集に挑戦してみてください。

最後になりましたが、僕が確信をもって言えるのは、「新形式のTOEICは、実践的な英語力そのものに加えて、ビジネスについての知識をはじめとした、周辺知識が必要になる」ということです。

参考記事→TOEICハイスコアの秘訣はビジネスの論理を学ぶこと

英語そのものだけでなく、その周辺にも視野を広げて、貪欲に知識を身につけていくことが、新形式への最大の対策なのかもしれません。



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